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テレワークとサテライトオフィスを利用した新しい障害者雇用を考える会

私たち障害者雇用創出コンソーシアム(CEC-PD)「テレワークとサテライトオフィスを利用した新しい障害者雇用を考える会」は、障害者の雇用促進を図るため、テレワークやサテライトオフィスを利用した、障害者の新しい働き方を調査研究します。

1.現状と問題点

昨今、国の施策により、障害者を取り巻く生活環境は改善されてきた。その一つに、障害者に対して、合理的配慮や差別禁止法などがある。また、街中では、バリアフリーやユニバーサルデザインなど、障害者に対してのインフラ整備も進んできた。

一方、令和になった現在でも、障害者等(難病患者を含む。以下障害者等と記す)の雇用は、低迷したままである。特に北九州市はその傾向が顕著である。これは、北九州市が鉄鋼業の町であり、ものづくりの街であるためである。北九州市の特徴として、地元の1000人以上の中小企業は新日鉄などの大企業の工場内(構内)に事務所や自社の工場があることが多い。

もっとも構内は、安全第一で操業されているが、バリアフリーの観点からみた場合、障害者等にとっては問題が多い。従って、障害者等は工場の敷地内(構内)に入ることができない。また、法定雇用率を厳守しなければならない企業は、構内に事務所がある限り、障害者等の安心安全を守る点から、雇用することが難しい。たとえ、小規模な企業でも工場を持っていることが多く、事務所はその工場の中にある。また、納品や打ち合わせなどで構内に入ることが多いのが現実である。このように、何らかの形で障害者等にとっては危険な構内に入ることが多いのが、北九州市の企業である。

以上のような、北九州の企業の特色を背景に、軽度な障害ならば雇用のチャンスはあるが、視覚障害者や車椅子ユーザーは、面接の機会さえ与えられないのが現実である。

もう一つの問題として、通勤がある。敷地内に工場を持つような企業は、広大な敷地を要するため、郊外に建設されていることが多い。そのため、交通やインフラ整備も整っておらず、通勤が非常に不便である。これも北九州市内で障害者等雇用が進まない理由の一つであると言える。

これらを解決するため、新しい働き方のテレワーク、新しい職場としてのサテライトオフィスの開設を目指す。また、同時にモバイルワークも検討視野に入れる。

2.障害者等の就労率の拡大を図るには

① テレワークという働き方 仕事の切り出しで雇用拡大

新型コロナウィルスの蔓延により、多くの会社員が在宅勤務となった。いままで社内でやっていたことが、自宅で仕事の一部が行えるようになってきた。つまり、在宅で仕事をするために、仕事の切り出しができることがわかった。それでは、その仕事を外部に発注してはどうだろうか?というのが、今回のプロジェクトの発想である。構内に入ることのできない障害者等に、仕事として出すことができないだろうか?

② テレワークの種類による働き方 在宅・サテライトオフィス・モバイルワーク

外に出す仕事は、二つに大別できる。一つは、個人情報や機密情報を含まない社内の回覧用の文書や連絡文書である。このような文書であれば、在宅やモバイルワークが可能である。

もう一つは個人情報や機密情報を含んだ内容の仕事である。慎重に扱う必要があるため、このような場合は、サテライトオフィス内での仕事とする。このオフィスに障害者等を雇用し、運営と管理を障害者等で構成されているNPOに任せる。NPOと業務提携することで企業の機密は担保される。また、運営管理はこのNPOが行うので、働き手である障害者等に対してその特性を理解した対応ができ、緊急時の対応も適切にできる。

企業からの必要な連絡や指示は、Microsoft Teamsをはじめとするチャットツールを使ってリモート会議を行う。このようにテレワークという働き方で、今まで就労できなかった重度の障害者等にも就労の機会が出てくる。また、企業は法定雇用率が達成できる。仕事の切り出し方は、業種によって様々であるが、特に、事務処理が多い公共団体にはいいかもしれない。

3.サテライトオフィスの具体的展開

①サテライトオフィスでの障害者等の実務

サテライトオフィスでは、難病患者とすべての障害者等を対象とする。そうすることで、難病患者や障害者同士が障害を補いながら仕事を遂行できる。病気や障害を理由にあきらめていた作業を、障害者等が各自の得意分野で相互補完することで、できるようになる。

例えば、伝票をまとめて集計し、帳票に出力する仕事の場合、視力のある障害者等が、紙のデータをパソコンに入力しデジタル化し、視覚障害者がそのデータを基に編集や加工する。入力されたデータならば、視覚障害者でも集計表を作ることができる。関数を利用し、必要なデータを抽出することやグラフ化も可能である。ただ、レイアウトの確認やマウスによる微調整はできないので、視力のある障害者等の分担とする。

このように、様々な障害者等が集まることで、お互いのできない部分をカバーしながら一つの作業を行うことができる。何より、健常者の支援が仕事の上で不要となる。

②サテライトオフィスで地元商店街の活性化と高齢者雇用

サテライトオフィスを開設するには、場所が重要である。障害者等が通勤するため、交通の便がいいところが望ましい。候補として、駅前の商店街がある。現在、ほとんどの商店街はシャッターが下りており、空き店舗のところが多い。サテライトオフィスを開設することで商店街の活性化にもつながるのではないだろうか?

サテライトオフィスのもう一つの役割として、障害者等の社会人としての一般常識やビジネスマナーを含めた職業訓練も併せて行う。ビジネス上、一般的なパソコン操作のスキルを身に着ける。WordやExcelを使ったビジネス文書の作り方や、PowerPointを使ったプレゼンテーションの方法など、ビジネスに必要なスキルを身に着ける。なお、指導員には企業を定年退職したOBの雇用も視野に入れている。

③サテライトオフィスで新しい人材の受け入れ

現在、障害者等は特別支援学校を卒業した後、ほとんど進路先がないのが実情である。将来的にはこのような子供たちの受け皿ともなりたい。

4.事業のスケジュール

令和2年度より3年を目安に事業を進めていく。

令和2年度

令和2年度は、5つの調査研究を行う。実行委員の会議はリモート会議を主とする。

①障害者等のニーズ調査

【調査対象】障団連・市内の当事者団体・福岡市の当事者団体・支援学校や訓練校・福岡の視力センターの生徒

【調査内容】どんな仕事がしたいか/何ができるか/障害の為何ができないのか/何を介助してもらえればできるようになるのか

②企業のニーズ調査

【調査内容】障害者等に何を期待するのか/どういう仕事をしてもらいたいのか/何が障害者等雇用の壁となっているのか

③テレワークを使って何ができるか

企業の仕事の切り出し/障害者等のスキル/二人で1ジョブを考える

④全国のテレワークやサテライトオフィスについての事例研究

【福岡県内のテレワークの実例視察】北九州市役所の事例/福岡県庁の事例/西部ガス絆結(ばんゆう)の事例/訓練施設の視察/株式会社ろくみょう(スキルアップ・ムーブ)(※コロナウィルスの感染拡大防止のため視察は延期の可能性有)

令和3年度

令和3年は事業母体の確立と環境整備

  1. 就労支援センターとしての開設
  2. サテライトオフィス内のスタッフの決定
  3. 協力企業の決定
  4. 設備の調達等
  5. 人員の手配(企業を退職したOBや実務経験者)
  6. 支援学校、先生への聞き取り/生徒への聞き取り/保護者への聞き取り

令和4年度

  1. 実証実験
  2. 問題点の洗い出し
  3. サテライトオフィス開設(黒埼駅前の空き店舗を利用する)