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理事長挨拶(2012年12月 1日)

作成日: 2012年12月 1日

更新日: 2012年12月 1日

「視覚障害者の現状と展望」

現在、視覚障害者が一般就労をしようとすると、まだまだ多くの課題があります。とは言っても、数年前のようにハローワークで門前払いのような対応はなくなりました。

これは、北九州市若松区にある福岡障害者職業能力開発校が、重度視覚障害者の受け入れをするようになり、視覚障害者のパソコン利用に理解がでてきたからだと思います。

しかし、就労の受け入れ先である企業にまだまだ理解が不足しているのが現状です。面接を受けようとしても「視覚障害」と言うと、視覚障害者は対応できないとか、応募を想定していないと言われて面接さえさせてもらえません。また、障害者求人であるにも関わらず、仕事内容も障碍に対しての配慮がほとんどありません。私たちは視覚に障碍がありますので、「見る」という作業があるとできません。特に手書きの書類などを見ながらパソコンにデータを入力することができません。ただ、この手書きの書類を電子データとして渡していただければ、WordやExcelを使ってデータの加工や編集作業ができるのです。「この手書き文字を電子データにする。」、「電子データを編集や集計をする。」というように仕事の切り出しをすることで、私たちにもできることが出てくるのです。

現状では、このような仕事の切り出しをされているところはありません。ほとんどが、これらはデータ入力と言う一つの作業となっています。

その他、ファイル整理、郵便物の仕分けなど、見なければできない作業が多くあります。これらの作業が求人の仕事内容に書かれているのです。

これらの作業に付いてもう少し仕事を切り分けた形で出してもらえればと思います。

また、ハローワークの窓口の方も視覚障害者がパソコンを使ってできること、できないこと、サポートを受ければできることの切り分けができていません。

そのため、視覚障害者がハローワークに行っても適切な求人を紹介してもらえないことも少なくありません。何故なら、ハローワークの窓口の方の判断で求人が選ばれてしまうからです。窓口の方がきちんと障碍を理解して、企業に問い合わせをしていただけると面接の機会も出てくるのですが、まだまだ、そのような方は少ないようです。

私たちもハローワークに行く際は、自分はどこまでできるのか、どこからができないのかをきちんと切り分けしておくことが大切です。

また、私たちの大きな問題として通勤と言うのがあります。勤務先の場所によっては、幾つか交通機関を乗り継がなければなりません。また、最寄りの交通機関からかなり歩かなければならないこともあります。こういう場合、私たちは歩行訓練という制度を利用できます。きちんと、歩行訓練を受けることで安全に通勤をすることができます。こういう制度をご存じない企業が多くあり、通勤のことで面接を断られることもあります。

一方、平成24年度の福岡県内の障害者求人で、昨年までは面接さえ断っていた企業が、履歴書を見ながらお話をして、何かできることがないか、検討したいと言うところも出てきています。また最近、就労形態が在宅勤務と言う企業も出てきています。こういう勤務であれば、私たちにとってはたいへんありがたいことです。数年前まではほぼ絶望的であった視覚障害者の一般就労は、少しずつ改善の方向に動いているのではと思っています。

今後、キャリアセンターあいでは、これらのことを踏まえて更なる活動を続けて行きたいと考えています。どうぞ、よろしくお願いします。

ふくおか視覚障害者雇用開発推進センター理事長
赤松 賢一 

本文終わり。